資金調達しました

初めまして、株式会社SPICYの疋田万理です。

前職ONE MEDIAでは、その名の通り「ONE」MEDIAという会社名で、メディアの編集長をしていました。

今回は、順序や並びの存在しない、ユニークな個々の集合体の名前にしたいなと思い、会社名を株式会社SPICYにしました。

世界中にはたくさんのスパイスがある。どれが良いとか優劣もなく、それぞれの個性を最大化させて楽しむものだと思います。それが好きでした。

また、会社に根付いてほしい性格として
Sweetでも、Smartでも、Coolでもなく、Spicyな人間が多く集まってほしいなと思います。

Being spicyというのは、「他と違って、印象に残る」「甘く見ちゃいけない」「刺激的な」といった意味です。

— この記事の目次 —

2019年5月 妊娠発覚

2019年10月 はじめての会社設立

2019年12月 はじめての出産

2021年1月 事業ピボットを決断

2021年3月 はじめての融資

2021年7月 はじめての正社員採用

2021年9月 ローンチからの未来

2019年5月。スペイン旅行中に妊娠発覚。

退職希望を出した後の有休消化中に、妊娠が発覚しました。

ありがたいことに、妊娠中も仕事をいただくことができ、元CRAZY WEDDINGの山川 咲さんのお声がけで、CRAZY WEDDINGやIWAIのマーケティングを担当させていただきました。

つわりとの戦いで、重要なプレゼンの前は一旦吐いてから参加したり、お腹が大きくなってくると、歩くのが大変で、電車移動にも1時間半くらいかかっていました。(そういえば、妊娠してますキーホルダーは、線路に突き落とされるかもと思って、怖くてつけなかった)

でも、正直に言うと

体調の問題よりも一番に、未来が見えなくて不安な時期でした。

周りでも多くの知人が、ずっと仕事命だった、もしくは、キャリアのために大学の時すごく努力してたのに、赤ちゃんを授かって、産休や育休ではなく、お仕事を辞めていくのを見てきたからです。

これは日本全体で見ると、どれくらいの数字になるのだろう、と調べてみました。

内閣府のデータによると、

第一子出産を機に離職する女性の割合は、46.9%

だそうです。ほぼ半分の女性が第一子出産で仕事を辞めている。
また、辞める理由は以下の通り。

子育てと仕事の両立がきつい、や、子育てに専念したかった、自分の体や赤ちゃんを大事にしたいと考えたから、など。

平成30年11月 内閣府男女共同参画局

周りの知人に聞いてみても、どちらかというと、多くが望んで仕事を辞めているようでした。(とはいえ、パートナーや社会に求められるプレッシャーが大きな理由だと思っています)

私のパートナーは、仕事をずっと続けてほしい、むしろ起業してほしい、早く資産を持ってほしい、というタイプでした。

また、多くのママになった友達や先輩、自分の母親からも

ママになると一気に優先順位が変わるよ!
仕事よりもっと大事なことがある
ママになってみないとわからないね〜
万理も子供できたらわかるよ
子どもが可愛すぎて、離れるのが本当に大変

そんな声をたくさん聞いて、この子が産まれたら急に今までの人格から変わり、ママホルモンみたいなものがドーン!と出て、別人のようになって「仕事より圧倒的に子育て!」になるのかもしれない、と

自分の知らない「自分」がいるのかもしれない可能性を、すごく怖いものに感じました。

2019年10月。会社を立ち上げる。

私にとって、「会社を設立する」ということは当時すごく大きいことでした。法人組織を作ること自体は、今思えば(立ち上げる)資金さえあれば誰にだってできる、と思うのですが、この第一歩を踏めたことが本当に大きかった。

「起業したい!」という思いが当時あったというより、受けていたお仕事が大きくなってきたので法人化に至ったのですが、株式会社を持ち、最高の会計士さんに出会い、信頼できるチームメンバー10~15人と、動画やクリエイティブを日々制作していきました。

特に前職と業務内容として大きな変化はないものの、自分の会社を始めて、今までよりも遥かにキャッシュフローを細かく見るようになりました。

1期2期のSPICYの業務は、上述の通り動画などのコンテンツ制作で、NHKやTBS NEWS、企業の広告(社会的意義が高いもの)を担当させていただきました。

(この1動画で400万回再生 Twitter動画シリーズ #みんなのWHY

2019年12月。はじめての出産。

出産前日もSlackをチェックしながら、2日かかった出産当日お休みし、翌日から仕事を再開しました。(出産という新しい体験の)ドキドキ・不安要素によりメンタルを持っていかれる感じがすごく苦手で、通常運転することで、リラックスしようと心がけた結果、仕事することが私の安心を作っていました。

赤ちゃんが無事産まれ、ここから3時間おきに目を覚ます生活が始まりました。

「ママにならないとわからない」「優先順位が変わる」という瞬間は自分には来るのか?いつ来るんだろう?と思いながら、仕事を進めていました。

2021年1月。事業ピボットを決断。

2020年4月から、コロナウイルスにより局での収録も厳重になり、制作可能なコンテンツも大きく変わりました。それだけでなく、一気に世界中がシャッフルされ、全員がゼロから何か新しいことを始めているような、それがより「自然」であるような、そんな風の流れを感じました。

このままではいけない、そんな風に考えはじめた時でした。

12月に赤ちゃんは1歳になりました。みんなが言っていた「ママにならないとわからない」ことが、少しずつわかり始めた頃でした。

自分が仕事をしたいと思う気持ちはエゴなんじゃないか
自分が冷たい人間だからなんだろうか
なんで他の人や施設に預けてまで、仕事をしたいんだろうか

そんな葛藤、自責が常にありました。

自分は、世の中で言う「良いお母さん」ではないかもしれません。ご飯も毎日3食を作れているわけではないし、毎晩欠かさずに寝かしつけてあげられているわけではありません。

彼女が普段よりも寂しそうにしていたり、私がストレスを抱えすぎて優しくできないとき、そして、疲れすぎてずっと抱っこする力がないとき、何度も「仕事を減らした方がいいんじゃないか」と考えました。

でも、自分で言ったくせにですが上記の、「良いお母さん」の定義は積極的に変化させていきたいと思うし、新しいチャレンジをしながら、自分の睡眠時間や余暇の時間を減らしながら、母親と妻と経営者をやっていきたいと思っています。

1歳の日を迎えて、ようやくエンジンをかけていけるようになりました。また、コロナにより「新しいことができる!」と、いい意味で自分の中での参入障壁が低くなり、自分が今後10年、毎日愛していける事業アイディアを出していきました。ずっとやってきた動画制作以外の事業です。

2021年3月。はじめての融資。

動画制作事業は増やさない方向で続けながら、最終的に1つに決めたアイディアで、1~3月はMMVPを試していました。(そして、リンクに貼ったようなYCの動画を観まくっていました。)

この事業にコミットすることを決め、融資を受けることを決意。コロナの状況と会社の業績により、融資をある程度受けられることとなりました。

お金を借りるということは、お金を返すということ。経営者であった父が融資と資金繰りによって、メンタルをすり減らしながら、毎月ギリギリで乗り越えたり、乗り越えられなかったり、を見てきたので、私にとってはこれは、大きな二歩目でした。

2021年7月。はじめての正社員採用。

会社自体はほぼ2歳となったものの、新規の事業の立ち上げ、というかゴリゴリのスタートアップで、1ヶ月後が見えない日々が始まりました。

資金調達を進めながら、開発を進め、戦略を何度も練り直し、ただでさえ赤ちゃんが夜泣きして睡眠が取れないのに、寝る直前も仕事のことを考えすぎて脳がオフになってくれなかったり、夢の中でもピッチしながら初夏を過ごしました。 (はっきり言って5月から現在8月まで、どうやって過ごしてきたのか、仕事以外記憶がないレベルです笑)

そんな中で1人、3~4年前からずっと一緒に仕事している、想像力が高くて、デザインセンスが良くて、仕事がいつもオーガナイズされている方を、正社員としてお迎えすることができました。

正社員採用は初めてでした。

まだ資金調達も終了していない状態でも、決断しました。

スタートアップはハードシングスの連続なので、こういった可愛いドキドキとは比べ物にならない「吐きながら生きる」みたいな日々が来ると思っていますが、パートナーにはこんなふうに言われました。

スタートアップはDisrupt(破壊)が全て。そしてDisruptにはhard thigsがついてくる。僕は25歳で起業した時、クレカは全てマックス値で使い切り、融資は数千万円マックスで借り入れていた。そして、数億円もの訴訟を立てられたりもした。でもそれはDisruptのために必要だったり、事業がうまくいって、注目を浴びるからこそのhard thingsもある。むしろ鈍化していて、変化のない安定な日々がきたら、それは死でしかない。

なのでこれからのハードシングスとの出会いは、「大丈夫。disruptしてる。disruptしてる。」とポジティブに捉えていくと決めました。

2021年9月。ローンチからの未来。

サービスの概要は別の記事に書きますが、ここからサービスをローンチして、プロダクトの改良、エンジニアさんの採用や、マーケティングの仮説検証、他企業との提携などすべきことはたくさんあります。

もしこの事業をやらなかったら10年後に絶対に後悔する。今やる必要がある。と、強く感じています。自分は遅かれ早かれ、絶対に自分で起業する道を選んでいたと思います。そのタイミングに「正解」をつけるのは30年後くらいなのかもしれません。

人生は1回しかない(と信じている)ので、できるかできないか、ではなくて、やるかやらないか、やり抜くかどうか、だと思っています。

ここには記載しなかったハードシングスばかりです。需要があれば、いつか書きます。(笑)これは経営者みんな(特にスタートアップ)が体験していることなのだな、とつくづく感じます。

でも、それを1人で解こうとするのではなく、100の課題を100人で解(SmartHR 宮田さん)いていきたいです。

ユーザー獲得のためのマーケや戦略を考えてみたい、と思う方

コミュニケーションが大好き!人とお話しする仕事をしたいという方

言葉をわかりやすく、情報を届けるライティング業務が好き、という方

デザインが楽しい!オリジナル教材を作ってみたい、という方

今後、たくさんの方々と一緒にお仕事をして、100個の課題を100人で解ける日を近くしていきたいと思っています。

上記とは別で、経営戦略に興味がある方もご連絡ください。

support@classmate.co.jp

読んでくださって、ありがとうございました。

疋田 万理

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